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2009年12月29日 (火)

きっかけ

0116  しばらく前から、牛久というところにある入管の留置センターへの訪問に誘われていました。

「牛久」「牛久」と私たちは呼んでいますが… そこは、外国人の「不法滞在者」と言われる人たちを収容している施設です。

何年か前に、Overstayで捕まって牛久にいたベトナム人の労災関係のことで通訳を頼まれて訪問したのが初めてでした。

いろいろ手続きを踏むために病院の証明をもらわなければならなかった時のことです。病院で待ち合わせをしました。ショックでした。生まれて初めてこの目で見た手錠と腰縄でつながれたTHさん。

ビザの期限が切れても日本にいた、という《法》には触れているのかもしれないけれど、私からすれば何の暴力を振るったわけでもなく、盗みなどをしたこともないやさしい礼儀正しいベトナムの青年でしたから、本当にその姿を見た時はショックでした。

それで、今回訪問に誘われた時も心は動きましたが、仕事が忙しいことや、遠いということでなかなか実行に移せないでいました。また、ちょっとしたことで精神的に落ち込んでいたのです。

ちょうど、そんな時でした。二人のベトナム人の青年から、「今度の休みの日に遊びに行きます!!」と、こちらの都合も聞かないで、ほとんど一方的な訪問を受けたのです。でも、そのひとときのなんとリラックスできたことでしょう!

彼らを送りだしたとき考えました。

ちょっと落ち込んでいた私のところに来てくれたこの二人の青年たちは私を十分にリラックスさえてくれたし、私はなんと大きな喜びを貰ったのだろう、と。

この小さなことがきっかけで、すぐ次の週、「牛久訪問」に申し込みました。

牛久にいるたくさんの外国人たちも、先日のちょっぴり落ち込んでいた私と同じだと思ったのです。

私の心にあったのは、たった30分の面会でも彼らの生活に「ひと時の気晴らし」「喜び」「慰め」が与えられることがわかってました。

案の定、「来てくれただけでうれしい!」と言われました。毎日何もすることなくそれこそどん底まで落ち込んでいる人たちです。「何もすることがなく、明日への希望がない」とうったえていますが私たちも何もすることができません。透明のプラスチックの壁越しに30分、彼らの話を聞いてあげるだけです。

それでも、私が二人のベトナム人からもらった「笑い」そして、忙しい時間を彼らのために裂いたにもかかわらず、玄関では心から「来てくれてありがとう」と言えたのです。

あの入管の留置センターからいつ出らるのでしょう。帰国するための飛行機に乗るお金がないと出られない、そのために保証人が必要、難民申請したい…

「あなたが来てくれただけで、今日、新しい日になった。」

「来てくれるだけで嬉しい」

こんな言葉に、わたしが二人のベトナム人青年からもらった「リラックス」「楽しさ」をここでお返しできているのかなぁ、と思っているところです。

留置センターで年を越さなければならない何百人という外国人の方々のことを思い出しながら、新しい年に入っていきたいと思います。

… 

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