« クリスマス・ローズ | トップページ | 「憐れみ」と「慈しみ」 »

2015年3月21日 (土)

その心

先日、昔の教え子に会う機会がありました。

スタバ(スターバックス)で、彼女はあたかも、ここもベトナムだ、とでもいうように アイスコーヒー、うすら寒さを感じていた私はホット・ココアを飲みながらいろいろなことを話しました。

そんな中で、何がきっかけになったのか忘れましたが、彼女がおもむろに私に見せてくれたものがありました。

それは、日本語でどう呼ばれているのかわかりませんが≪献体認定カード≫でした。日本ではたぶん≪献体登録証≫と言われているものだと思います。

「先生、私は献体したいので申し込みました。ホーチミン市の医薬大学です。私が死んだら、このカードを見た人は私を医薬大学へ運びます」ということでしたが、「死んだときにこのカードを見た人は・・・私を医薬大学へ運びます」という言葉に、ふと、交通事故の多いホーチミン市だから・・・という考えが浮かびました。病院あるいは家で死を迎えることが多い日本の社会に住んでいる私の反応でした。

「日本では家族全員の承諾が必要なのよ。あなたのおうちでは大丈夫だったの?」と聞いたところ、大病を患った母親にはまだ言ってないが、父親には相談し、了解を得ていると言っていました。

まだ若い彼女が、どんな気持ちで≪献体≫を決心し、また、実際に申し込んだのだろうと、とても気になり知りたくなりましたが。。。その時には聞く勇気がなく、ついに聞きそびれてしまいました。


日本では一時献体数が不足して困った時期があったようなのに、東日本大震災以降、「自分の死に関心を抱くようになった」という人が増えて、献体する人が現れ始めたということです。

彼女の心の中にはどんな思いがあって、この選択の決心を実行したのでしょう。

いつも、「人のためになる」ことを喜んでしている彼女は、ホーチミン市から200キロほど離れたところにある養護施設にいる二人の子供を養子にして育てています。今年のテト(旧正月)にはこの二人の子供を自分の実家にも連れて帰り、家庭の味を味わわせているようすをフェイスブックに載せていました。


暖かい家庭で愛されて育ってきた彼女は、弱い人、小さい人に対してとても敏感です。その受けた家庭環境のおかげで彼女と触れた人はみんな幸せを味わわせてもらっていると思います。

ここまで書いてきて、彼女が≪献体≫を決心した理由がなにか読み取れた気がしました。

                       Dscn4902_558_2Dscn4901_557_2
            

« クリスマス・ローズ | トップページ | 「憐れみ」と「慈しみ」 »

旅行・地域」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: その心:

« クリスマス・ローズ | トップページ | 「憐れみ」と「慈しみ」 »