ショック
自分の心を誰かに見せることができるって、その人は幸せだと思います。
まだほんの子供だった頃に、家に来ていたお手伝いさんが、妹が何の理由か忘れましたが、大声で泣いていた時に、ふっと、誰にともなく漏らした言葉: 「人の前であんなに泣けるなんて幸せね」
どういうわけか、このお手伝いさんの漏らした一言は、私の心の中にまっすぐ入ってきました。そして、何十年もそのまま居座っています。時折、この言葉の真実さをちらつかせながら…
ここまで大声で泣きわめかなくても、私たちも時には涙が出るままにしたいことがある、あるいは、心からあふれそうになっていることを自然にあふれるままに出したい…と思うことがあります。
つい、最近のこと、持病の症状に新しい症状が出てしまいました。
ショック! でした。
しばらく、薬のコントロールがとてもうまくいっていて、病気のことなんか忘れて何でもできるように思っていたのです。でも、同時に、この良い時期が長引くにつれて、皮肉なことに私の中に一つの「恐れ」も芽生えていたのも事実です。
この良い状態が「治癒」には結びつかないことは厳然とした事実だからです。ですから、「いつかまた、欲しくない状態に戻るんじゃないか、あるいは、その時にはもう一段進んでしまった状態として私にあいさつするんじゃないか」という危惧、おそれでした。
コントロールがうまくいかないときのいわゆる「オフ状態」はとても疲れさせます。身体だけでなく精神的にもとても疲れさせるので、いつまでたってもうまく受け入れることができません。
この間の火曜日。
しばらく前から感じていた体の内部の違和感がついに外に出てしまったようです。その症状を前にして、「来るものが来たのかな?」と冷静に受け止めようとしながらも、ショックでした。
症状そのものからくる疲労にも久しぶりにつぶされそうになりました。2日間、やれ、やれ。
でも、こうやって心のうちを吐露することで私の心はすこしさっぱりしました。
雨上がりの池に浮いた蓮の葉に水滴がコロコロと光っているのが見えます。いまの私の「ショック」をあんなかわいい水滴に見立てて、神さまにお捧げしたい。
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