電車の中で・・・ こども二人
久しぶりに電車で外出しました。
空いていた優先席に腰を下ろして何気なく車内を見まわしていました。そこへ、赤ちゃんを抱いた外国の女性がわたしの隣に座りました。
小さな子供を嫌いではないわたしは、ごく自然に、隣りに来た赤ちゃんの方へ眼を向けました。すると、その赤ちゃんも、「あなたはだあれ?」というように、わたしの方へ顔を向けてきました。
赤ちゃんと目が合いました。
その赤ちゃんの目は、うすいコバルトブルー色で反対側へ突き抜けてしまいそうに透明で、わたしは赤ちゃんと目を合わせたものの、一瞬はっとしてしまいました。
でも、その後は、目と目のおしゃべりが始まりました。何か、感じることがあるのか時々その小さな頭をお母さんの胸にぶつけるようにして母親の注意をひいているようでした。そして、何がおかしいのかわたしにもそのかわいい口をあけて笑うのです。小さな口の中にはこれまた小さな桜貝のようなかわいい歯が2本下に見えました。
この赤ちゃんと目の会話をしていて、「どこかで知っている」という何か懐かしい感じがよみがえってきて、なんだろうと思い返したら… あら、あら・・・ この隣りの赤ちゃんは、わたしが幼かったころ近所に住んでいたアメリカ人の牧師さん家族から、ある年のクリスマスにプレゼントで頂いたミルク飲み人形と同じ顔をしていたんだ、とわかりました。
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しばらくして、今度は、お母さんと一緒に幼稚園の年長さんぐらいの女の子が電車に乗ってきました。
二人は、駅で電車を待っていた時からやっていたのでしょうか、すぐに「しりとり」を始めました。二人で交互にどんどん言葉が飛び出してくるのに驚きました。この世に生を受けて5年もたつとこんなにたくさんのことばを知っているのか、… 自分が外国語を勉強したとき、5年勉強しても、これほど豊かな語彙はなかったのではないかと思いました。
ときどき、子どもはお母さんが出す言葉の意味が分からないようで、「それってあるの?」と聞きます。
たとえば、お母さんが「かもしか」と言いました。この子はカモシカがわからなかったようです。「かもしかってあるの?」と尋ね、『シカの種類よ』という答えを聞いて「ふうん」とうなづいていました。こうして、一つずつことばが増えていくのでしょうね。
わたしも、すわっている席から二人のしりとりにすっかり引き込まれてしまいました。
「しりとり」、久しぶりにやってみようかな、わたしの日本語の生徒だったらどのぐらいできるかな???
30分ほどの車中は、子どもと一緒の楽しいひとときでした。
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