寂しいのか・・・ 静かなのか・・・
まいとし、お正月を迎えるたびに なんともつらそうな声を思い出します。
仕事場(会社・工場)は休みに入り、学校も行かない。何となく手持無沙汰で家の中にごろごろとしているベトナム人たちの
「日本の正月は さびしいね」
という言葉です。
ベトナムでは、お正月は準備の段階からにぎやかですね。これは少し前の日本でも同じ空気が流れていたと思います。
ひとたび、元日の朝を迎えると空気は一変するように感じます。日本(特に私は東京しか知らないのですが)では、町の中はし~んと静かです。それが、ベトナムの(特にホーチミン市だったら)町だったら、玄関を開けたら まるで「飛び込んで」来るような勢いでバイクの走る音、車の音、物売りの人たちの大きな声が耳に入ってきます。
「日本の正月はさびしいね」というベトナム人に、わたしは ベトナムの喧騒を頭に置きながら、「あのね、これは、静かっていうのよ」と言い、
「ベトナムの正月は楽しいよ」というベトナム人に、私は同じようにベトナムの喧騒を頭に置きながら、「あのね、あれは、うるさいって言うのよ」と言いながら、
故郷を離れて、その国の人たちが異国で味わう「祭り」の持つ意味の深さと重さを今になって理解できるようになったのかな、と思いました。
「静かすぎるよ~~。寂しいなあ、日本の正月は!」
この言葉の後ろに、彼らの暖かい家庭・家族を垣間見ることができるようになりました。
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